GLP-1

GLP-1受容体作動薬とは?

GLP-1(ジーエルピーワン)は、私たちヒトの体内にもともとあるホルモンです。主にインスリンの分泌を促し、血糖値を下げる役割を担います。
そして生活習慣の改善や飲み薬だけでは血糖値をコントロールできないとき、体外からGLP-1を補う目的で使用するのが、GLP-1受容体作動薬です。
GLP-1受容体作動薬は、食後に血糖値が上昇したときのみ反応して作動します。空腹時には作用せず、低血糖を起こしにくい薬剤です。また、血糖値を下げる薬と比べると、体重増加の心配もほとんどありません。

なお近年、「痩せるホルモン」「ダイエット注射」などと称してダイエット目的でGLP-1受容体作動薬を使用されているケースがニュースになっていますが、健康な方がGLP-1受容体作動薬を使用することのリスクを考慮し、当院ではダイエットを目的として処方することはありません。正しいご理解・ご使用をお願いします。

GLP-1はどんな働きをするの?

インスリンの分泌を促す

すい臓からのインスリンの分泌を促し、血糖値を下げます。同時にグルカゴン分泌を抑制し、食後の血糖値の上昇を抑えます。
※グルカゴン:糖の血中への放出作用のあるホルモン

消化器への作用

内容物を先に送る胃の蠕動運動を抑制します。内容物が腸へとたどり着くタイミングを遅らせて、食後の血糖値の上昇を緩やかにします。

中枢神経への作用

脳の視床下部に働きかけ、食欲を抑えます。そのため、体重の増加を防ぐことができます。

マンジャロ®皮下注について

2023年4月より当院ではマンジャロ®皮下注の取り扱いを始めました。
2022年9月26日、2型糖尿病の治療薬としてGIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ®皮下注」が製造販売承認を取得しました。新薬マンジャロ注はGIP/GLP-1受容体に対する作動薬で、特にGIPに対する作用が強いとされています。
また、GIPとGLP-1とがお互いに作用を補い合うことで、従来のGLP-1受容体作動薬よりもさらに高い効果が得られる可能性があります。
マンジャロのGIP/GLP-1作用による、血糖降下作用および、食欲減退や満腹感亢進による体重減少効果が大いに期待されています。

GLP-1の投与はライフスタイルや年齢に合わせて

GLP-1受容体作動薬には、週に1回の投与でよいもの、1日1回または2回の投与でよいものなど、いくつかの種類があります。
また、ご高齢の方、認知症の方で自己注射が難しいという場合には、成分が徐々に放出される“徐放性”の薬剤を、週に1回程度ご来院していただいた上で投与する、ということも可能です。
患者様のライフスタイルや年齢、健康状態に合わせた使い方できますので、どうぞご安心ください。

GLP-1の投与の注意点・副作用

  • 注射を開始してしばらくのあいだ、吐き気、下痢などが起こることがあります。
  • 他の薬を併用していない限り、低血糖の心配はほとんどありません。ただし、気持ち悪さ、手足の震え、ふらつき、脱力などの低血糖を示す症状が現れた場合には、吸収の早い糖分を摂取するようにしてください。また、危険を伴う作業、自動車・バイクの運転などを行う場合には注意が必要です。

GLP-1のよくある質問

GLP-1とインスリン製剤、何が違うの?

GLP-1受容体作動薬は、投与によりインスリンの分泌を促し、食後の血糖値を下げます。血糖値の上昇時にのみ作用すること、体重増加を抑えられること、単独で使用する場合の低血糖のリスクの低さなどが特徴です。
インスリン製剤は、投与により直接的にインスリンを補います。効果が現れるまでの時間、持続時間が異なる製剤があり、患者様一人一人に合った血糖コントロールが可能です。

GLP-1は2型糖尿病の人しか使えないのでしょうか?

はい。GLP-1受容体作動薬は、あくまでインスリンの分泌を促す薬剤です。そのため、インスリンを分泌する機能が残っている2型糖尿病の方にのみに効果があります。
一方でインスリンは、インスリンそのものを身体の外から補います。そのため、1型糖尿病と2型糖尿病の両方の患者様に使用することができます。

GLP-1はずっと使い続けないといけないのでしょうか?

そんなことはありません。2型糖尿病の薬物療法においては、血糖がうまくコントロールできるようになれば、お薬を変更したり、減量したりします。
GLP-1受容体作動薬から飲み薬に変えるということも可能です。

糖尿病の人しか使えないのですか?肥満改善として効果があると聞いたのですが…

GLP-1受容体作動薬には、中枢神経に働きかけ、食欲を抑える効果があります。
海外では肥満症に対する薬として承認されていますが、日本ではあくまで2型糖尿病の治療薬としてのみ承認されています。
美容クリニックなどで処方されているようですが、当院ではダイエット目的としたGLP-1受容体作動薬の処方は行っておりませんので、ご了承ください。2型糖尿病の方で、治療に必要と判断した場合に限り処方します。

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