肥満は遺伝が関係するの!?
ほとんど同じ生活を送っているのに夫(妻)より太りやすい、たくさん食べる友人がなぜか太らない――。そういったことを感じたことはありませんか?
太りやすさ・太りにくさを決める要因の1つに、遺伝があります。父親・母親の太りやすい遺伝子が継承されることで、その子も太りやすくなってしまうのです。
肥満になりやすい遺伝子とは?
「肥満遺伝子」と呼ばれる遺伝子があると、その影響によって基礎代謝が低くなってしまいます。
肥満遺伝子を持つ人は、そうでない人よりも基礎代謝が100~200kcalほど低くなることが分かっています。
肥満になりやすい遺伝子を持っていても必ず太るわけではない
ただ、もちろん肥満遺伝子だけが太りやすさや体重を決めるわけではありません。体質や生活習慣なども大きく関わり、最終的な太りやすさ・太りにくさが決まります。
先述の通り、基礎代謝の差は100~200kcalですので、食事や運動に気をつけることで、その差を解消することは十分に可能です。実際に、日本人のうち30%以上が肥満遺伝子を持っているにもかかわらず、世界的に見ると肥満の割合が少なくなっています。これには、野菜や魚を取り入れた脂質の少ない和食中心の食習慣が関係しているものと思われます。
父親または母親が太っていたらこんなことに気をつけよう!
父親または母親が太っている場合には、どのようなことに注意すべきなのでしょうか?
生活習慣の改善
規則正しい生活リズム、十分な睡眠、そして食事・運動にも配慮した毎日を送りましょう。
生活が不規則になると、どうしても食事の時間もずれてきます。また、睡眠不足によって日中の活動量が低下すると、当然ながら運動不足になってしまいます。
食生活の改善
栄養バランスのよい食事を一日三食、できるだけ規則正しく摂りましょう。
特に、自立して生活するようになっても、なんとなく実家と同じような食事メニュー・食べ方を続けていると、太ってしまう可能性が高くなります。今一度、ご自身の“当たり前”であった食生活が適正なものなのかを見直す必要があります。
適度な運動
楽しく、無理なく続けられる運動を日常に取り入れましょう。毎日が難しければ、週に数日でも構いません。
基礎代謝を高める方法としておすすめしたいのが、適度な筋力トレーニングです。筋肉量が増えることで、基礎代謝がアップし、太りにくくなります。
肥満が心配…という方は肥満外来へ
肥満の原因に遺伝が含まれるものの、基礎代謝を高めるなどして肥満を解消することは十分に可能です。
糖尿病や高血圧、脂質異常症などのリスクとなる肥満は、食事と運動を中心とした生活習慣の見直しで改善・解消しましょう。
当院では、医師・管理栄養士、看護師、検査技師が一体となったチーム医療で、包括的でありながら、きめ細やかな肥満治療を提供しております。
※肥満治療は、ダイエットを目的として行っておりませんのでご了承ください。
基本的に糖尿病や脂質異常等の疾患がある方のみを対象としております。