血糖を下げるSGLT2阻害薬
SGLT2阻害薬とは、腎臓に働きかけることによって、尿による糖分の排泄を促進するお薬です。
本来であれば身体に吸収される糖分を排出させることで、カロリー摂取量が抑えられる効果も期待できます。単独で使用した場合には、低血糖のリスクも低くなります。
GLP-1受容体作動薬とは異なり、内服薬です。
SGLT2阻害薬はダイエット目的では使用致しません
糖分の排泄を促すSGLT2阻害薬に、体重減少の効果が期待できるのは事実です。
ただ、短期的に効果が得られるわけではありません。また当院では、あくまで2型糖尿病治療の一環としてSGLT2阻害薬を使用します。
ダイエットのみの目的で受診された方に処方することはいたしません。
また、基本的に糖尿病や脂質異常等の疾患がある方しか健康保険は適用されませんので、予めご了承ください。
SGLT2阻害薬の効果
- 尿による糖分の排泄を促し、血糖値の上昇を防ぐ
- 最終的に身体に取り込まれるカロリーが抑えられ、体重が減少する
- 腎臓病、心不全のリスク低下
SGLT2阻害薬の副作用や注意点
副作用
- 発疹、皮疹、紅斑
- 倦怠感
- 口の渇き、脱水症状
- 排尿時痛、性器の感染症(女性に多い)
- 吐き気、嘔吐
- 腹痛
注意点
以下に該当する方はSGLT2阻害薬を処方することができません。
- 重症ケトーシスの方
- 糖尿病性昏睡または前昏睡のある方
- 重症感染症の方
- 手術前後の方、重篤な外傷のある方
SGLT2阻害薬のQ&A
SGLT2阻害薬で血糖値が下がる仕組みを教えてください。
SGLT2阻害薬の内服により、SGLT2の「糖分を再吸収する」という働きが阻害されます。再吸収がされなかった糖分は、尿として排泄されるため、血糖値が下がります。
HbA1cはどれくらい下がりますか?
0.7~1.2%ほど低下します。
ダイエットに効果があるときいたのですが、本当ですか?
ダイエット効果があるという報告はあります。特に、内臓脂肪の減少が期待できます。
ただし、当院ではあくまで糖尿病治療の一環としてSGLT2阻害薬を使用しておりますので、その点はご了承ください。
血圧は下がりますか?
排尿の量が増えますので、血圧がやや低下します。
高血圧の方にとっては良い効果ですが、低血圧の方は注意が必要です。