1型糖尿病

1型糖尿病はどんな病気なの?

1型糖尿病は、すい臓でインスリンを分泌する機能を担う「β細胞」が破壊されることによって、インスリンがほとんどまたはまったく分泌されないことで起こる糖尿病です。

1型糖尿病の症状

  • 発症の直前の発熱などの風邪に似た症状
  • 急に喉が渇く、水をたくさん飲む
  • 多尿
  • 全身の倦怠感
  • 吐き気、嘔吐

発症前あるいは発症後、上記のような症状が見られます。すぐに医療機関を受診するようにしてください。放置していると昏睡、最悪の場合には死に至ることもあります。

1型糖尿病の原因は?

本来身体を守るはずの免疫が自身を攻撃してしまう自己免疫反応によって、すい臓でインスリンを分泌する機能担うβ細胞を破壊してしまうために起こると言われています。
ただ、その根本的な原因は、未だはっきり分かっていません。

1型糖尿病にも種類がある?

β細胞の破壊は、進行していくのが一般的です。1型糖尿病は、その破壊の進行のスピードによって、以下のように3タイプに分類されます。

劇症1型糖尿病

発症から1週間程度でインスリン依存状態(インスリンが不足し治療で補う必要がある状態)に陥ります。
すぐにインスリンを外から補わなければ、糖尿病ケトアシドーシスという緊急合併症のリスクが高まります。

急性発症1型糖尿病

発症から数カ月をかけてインスリン依存状態に陥る、もっともよく見られるタイプの1型糖尿病です。

緩徐(かんじょ)進行1型糖尿病

発症から半年か数年をかけてインスリンの分泌が低下していき、最終的にインスリン依存状態に陥るタイプです。
2型糖尿病との鑑別が重要です。血液検査で自己抗体の有無を確認することで鑑別が可能です。

1型糖尿病の治療

1型糖尿病の治療において、原則としてインスリン療法は不可欠なものとなります。
また1型糖尿病は、生活習慣の乱れを原因としたものではありませんが、2型糖尿病と同様、食事・運動習慣に良くない点があれば、その改善が必要です。薬物療法のみを行うと、重度の低血糖に陥ってしまうことがあります。

食事療法

食事療法1日に摂取するカロリーをコントロールし、その食事内容についてアドバイスいたします。
基本的に、食べられないものはありません。
当院では、栄養士による栄養相談も行います。

運動療法

運動療法適度な運動して糖を消費するとともに、筋肉の量を増やして糖の吸収を良くします。また、脂肪が減ることでインスリンが作用しやすくなります。
患者様の年齢や運動経験などを考慮して、無理のないメニューをご提案します。

薬物療法(内服・インスリン注射)

薬物療法(内服・インスリン注射)当院では、自己注射の方法やご家庭での注意点をしっかりとお伝えしてインスリン導入をお手伝いいたしますので、ご安心ください。また、インスリン注射に加えて、インスリンポンプ療法にも対応しております。腹部に小型のポンプを取り付け、持続的にインスリンを皮下注入する方法です。
その他、血糖値の上昇を抑える飲み薬を使用することもあります。

1型糖尿病のよくある質問

1型糖尿病はどのような人がかかる病気なのでしょうか?

若年者、中でも小児~思春期にかけて発症するケースが多く見られます。ただ、成人以降、ご高齢になってから発症するケースもあります。
なお、2型糖尿病とは異なり、生活習慣の乱れに起因するものではありません。また、生まれつき持っている病気でもありません。

1型糖尿病を患っており妊娠を希望しています。合併症などが心配です…

1型糖尿病の方でも、妊娠・出産は可能です。しかし、血糖をうまくコントロールできていないと、合併症のリスクが高まり、母子への負担も大きくなります。
インスリン療法、食事療法、運動療法に取り組み、血糖のコントロールと合併症の予防に努めていきましょう。

血糖値がなかなか一定になりません。どうすれば血糖値コントロールがうまくいくのでしょうか?

まず、血糖コントロールがそれだけ難しいことである、という前提に立ちましょう。すい臓のインスリンン分泌の機能を私たちが代理するわけですから、健康なすい臓ほどうまく血糖コントロールを、それも継続的にしていくことはほとんど不可能です。
血糖値は確かに重要な指標ではありますが、あまり気にし過ぎるのも良くありません。(ストレスも血糖値を上げる原因になります。)
私たちにできるのは、血糖値や食事内容、運動量から、適切な量のインスリンを補充することです。そこはある程度オートマチック考え、血糖のコントロールがうまくいかない場合にも、「もうちょっと気をつけてみよう」と前向きな気持ちでいることが大切です。

受診したクリニックで食事制限をすると言われたのですが、実際に1型糖尿病の方の話だと制限しなくてもいいんだよと聞きました。本当に食事制限が必要なのでしょうか?

すでに適切な食事・運動習慣を送っている方については、特に食事・運動習慣を改善する(変える)必要性はありません。
ただ、食事のバランスが悪い、カロリーコントロールができていない、運動習慣がほとんどないという方については、その改善が必要になります。
食事・運動習慣に問題があるままインスリン療法のみを行うと、重度の低血糖に陥ってしまうことがあるためです。

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