2型糖尿病はどんな病気なの?
主に生活習慣の乱れから、すい臓のインスリンの分泌が低下し、血糖値が高い状態が続いてしまう病気です。
糖尿病は大きく1型糖尿病と2型糖尿病に分けられますが、ほとんどがこの2型糖尿病です。一般的に“糖尿病”というときには2型糖尿病を指します。
2型糖尿病の症状
- 喉の渇き、多飲
- 多尿
- 体重減少
- 手足の感覚が鈍くなる
- 目のかすみ
- 皮膚の乾燥
- 疲労感
- 傷が治りにくい
通常、2型糖尿病は無症状のまま進行します。かなり進行してから、上記のような症状が現れます。
2型糖尿病の原因は?
暴飲暴食などの食生活の乱れ、運動不足などの生活習慣の乱れ、肥満、遺伝などが原因となります。
すい臓のインスリンの分泌量が少なくなったり、効きにくくなることで血糖値が上昇します。
2型糖尿病の治療
食事療法と運動療法、また必要に応じて薬物療法を行います。この3つが糖尿病治療における大きな柱となります。
食事療法
患者様に合わせてエネルギー量を調節し、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく食事から摂ります。基本的に“食べられないもの”はありません。
当院では、管理栄養士による栄養相談を行っております。
運動療法
適度な運動して糖を消費すると同時に、筋肉の量を増やして糖の吸収を良くします。運動により脂肪が減ることでインスリンが作用しやすくなる効果も得られます。
激しい運動をする必要はありません。患者様の年齢や運動経験などに応じた、無理のないメニューをご提案します。
薬物療法(内服・GLP-1・インスリン注射)
食事療法、運動療法で十分な効果が得られない場合には、薬物療法を加えます。
血糖を下げるお薬の内服、GLP-1受容体作動薬の注射、インスリン療法などがこれにあたります。なお、インスリン療法においては、自己注射だけでなく、インスリンポンプ療法にも対応しております。腹部に取り付けた小型のポンプから、持続的にインスリンを皮下注入する方法です。インスリンの注射療法と比べて、周囲の人の目が気になりません。
2型糖尿病のよくある質問
2型糖尿病は遺伝するのでしょうか?
はい。糖尿病は遺伝性の病気です。遺伝的要因に環境要因(生活習慣の乱れ)が重なると、発症のリスクが高くなります。
ある研究では、両親が2型糖尿病である場合、そうでない場合と比べて子が2型糖尿病を発症する確率は2~3倍になるという結果が報告されています。
こんな人は2型糖尿病になりやすいというのはありますか?
生活習慣の乱れがある人ほど、2型糖尿病を発症しやすくなります。
食事に関して言えば、食べ過ぎ・飲み過ぎ、食事を抜く、間食が多い、食事のタイミングがバラバラ、栄養バランスが良くないといったことが挙げられます。
その他、運動不足、喫煙習慣がある、高血圧を持っているといったことも、糖尿病の発症リスクを高めます。
また1つ上のご質問でお答えしたように、遺伝的な要素もありますので、糖尿病の近親者がいらっしゃる場合にも、そうでない場合と比べて発症のリスクが高くなると言えます。
2型糖尿病を悪化させる食べ物はありますか?
基本的に食べられないものはありませんが、食べ過ぎない方がいいものは存在します。
白米や食パン、うどんなどは吸収が良く、血糖値の上昇を招きやすい食品です。また、糖分や塩分を多く含むものも食べ過ぎないようにしてください。甘いお菓子や清涼飲料水などは皆さん意識して控えられますが、煮つけ、練り物、缶詰などは見落としがちです。和食だから身体に良い、とは限りません。
その他、外食も、糖分や塩分を多く含んでいるものが多いため、できるだけ避けた方が良いでしょう。
当院では、管理栄養士による栄養相談を行っております。より一人一人に寄り添った食事療法のご提案が可能ですので、ぜひご利用ください。
2型糖尿病で現在、インスリン注射をしているのですが、インスリン注射をやめられるようになるのでしょうか?
中止できることも、中止できないこともある、というのが実際のところです。
中止を目指して血糖をコントロールするための治療を行って参りますので、ぜひ一度ご相談ください。患者様一人一人に合った糖尿病治療をご提案します。